P50電動エアソフトガンを作ってみる(#1)

KELTECから発売されているP50ピストルhttps://www.keltecweapons.com/firearm/pistols/p50/電動ガンを作ってみます。

今回は構想編です。

実銃での仕様 (抜粋)

  • 口径: 5.7×28mm
  • P90マガジンを天地逆で使用
  • AR15スタイルのチャージングハンドル
  • マニュアルセーフティ
  • セミオート
  • ピカティニースタイルのレール(上部、下部)
  • QDマウント(後部、グリップ下部)
  • 重量(マガジン無し): 1.43kg
  • 全長: 380mm
  • 高さ: 170mm
  • 幅: 50mm
    右側面

メカボックス

どこに置くか

電動ガンの心臓部:メカボックスを置く場所を決めます。 このピストルはアッパーフレームとロアーフレームでマガジンを挟み込んで固定します。そのため本体が大きいように見えても、実は内部のスペースは小さいです。

  • まず上前部にはチャンバーとバレルを置くので、左右の薄いスペースしか残りません。
  • 上後部はチャンバーの真後ろなので最適ですが、チャージングハンドルとリリースレバーが少し干渉します。
  • 後部は最悪です。チャージングハンドル、リリースレバー、セーフティ、QDマウントがあるので何も入れられません。
  • 逆にグリップ内部はスカスカなので最高です。
  • 最後に下前部はフォアグリップとレールがあるので、小物入れくらいにしかなりません。
    内部空間
    というわけで有力候補は上後部グリップになりました。
どれを置くか

このスペースに入れられそうなメカボはもうハンドガン用メカボックスしかありません。 本当はP90用やサブマシンガン用を使いたかったのですがP50自体ピストルなのでちょうどいいでしょう。

上後部とグリップにメカボックスを仮配置

改造

上後部の場合メカボを横倒しにするので、空気を排出するノズルの角度を改造する必要があります。アッパーフレームをリリースした際の重心が心配です。チャージングハンドルとの干渉は気合で何とかしましょう。

グリップの場合も後部へ空気を排出するようにノズル改造が必要そうです。下からはみ出してしまうのはノズル低頭化でなんとか対応しましょう。シルエットに影響するのでグリップ延長は絶対にしたくありません。

使用する市販品

  • P90マガジン: 5.7mmを愛する人たちの大好きなマガジンです。きちんと互換にしたいです。
  • P90チャンバー&バレル: マガジンノズルからアッパーフレーム上端までのスペースを見てもこれしかありません。
  • ハンドガン用メカボックス: 各種ハンドガンのメカボックス差異は主にカットオフレバー周りにあります。どれでも使用できるように差異を吸収できる設計にしたいです。電子トリガー化も考慮したいですね。
  • QDマウント: スリングを付けるとなると強度が必要です。

以上を想定しています。

その他の部品

機能部品はアルミやPOMのCNC加工、外装は複雑形状なので3Dプリントにしましょう。外装の分割や補強は設計中に詰めたいです。

3DP持っていないので機種やフィラメントに詳しい方コメントお願いします!

次回: 設計編

メガボットを作ってみる(構想編)

ディズニー映画「ベイマックス」に登場する架空の小型ロボット「メガボット」を作ってみます。
今回は設計前段階の構想についてまとめます。

なぜ作ろうとしているか

  • ロボットのくせに本体が球体で、腕/脚/耳との接続部にメカメカしいものがいっさい見えないという魅力
  • マイクロボットより現実にありそうな大きさ
  • 世界中で作ってみた記事があるが、動作するものは無い

SF作品の球体ロボットといっても数多くありますが、本体が完全な球体で変形や展開をせずに動作するものは少ないと思います。
また、超小型版のマイクロボットと比較してまだ現実的な大きさのため、製作のハードルが低いと考えました。
さらに、海外の方が記事や動画をアップされていますが、フィギュアやCG作品などに留まっており、自身の手で実現させたいと思いました。

仕様を解析する

構成
ガボットは3つの球と6つの棒状部品で構成されています。視点を変えれば(球1+棒2)×3ユニットとも捉えられます。
球は最大で2つの球、および2つの棒に同時に接続できます。
棒は最大で1つの球、および1つの棒に同時に接続できます。

構成
接続

動作
各部品は主に、接続を保ったまま表面上を滑るように動作し、法線を軸に無限回転します。互いに動作することで肩と肘のような2関節のようにも見えます。棒2本を足として自立します。両側の棒を法線軸で回転させることでタイヤのように機能させ走ることも可能です。
また、各部品の接続は任意のタイミングで解除でき、他ユニットの部品と取り換えることができます。
頭部として振る舞う球には顔があり、黄色と赤色の顔を入れ替えることができます。

動作
走行
接続解除

操縦
主人公のヒロはロボットファイトにて、両手で持つボタンが多く付いたコントローラを使用しています。ジョイスティックは無いようで、それぞれに動作が割り当てられているようです。操作するユニットを切り替える際には前部の白いボタンを押しているように見えます。
また、ヒロが操縦していないタイミングでヤマの顔に飛び乗って暴れたり、ヒロの後を追いかけたりと、自律動作しています。

稼働時間
動力源は内部に搭載されたスーパーキャパシタとヒロが言っています。電池持ちは良くなく、放っておくと電池切れで接続が解除されてしまいます。

寸法
14歳のヒロの手より大きいので、標準ポーズで全長20cmくらいと考え、逆算して球は直径5cmでしょうか。

重量
結構重そうです。1ユニットが音を立てて落ち足の甲を怪我します。ヒロの身長152cmの半分の高さです。

機構の選定

映画の中では「電磁ベアリングサーボ」技術を使用しているとされおり、電磁力とサーボ制御がキーのようです。しかしあくまでSF設定のため、同様の動作が可能な技術を使用します。

  • マグネットカップリング(磁気継手)

磁石の吸引、反発を利用して動力伝達を行う「非接触動力伝達装置」*1

球と棒との接続には電磁石を使う方法もありますが、常時通電では電流消費が激しいです。永久磁石を使いましょう。
※これにより任意の接続解除が不可能となります

  • ラック&ピニオン

各部品ごとに縦横のアクチュエータを用意します。縦横移動だけでも計8つのアクチュエータが必要です。複数の部品が球の中心を回転中心としているため、一般に販売されているサーボモータでは中央で干渉してしまいます。二軸のサーボモータもありますが足りません。
そこでアクチュエータを外側に分散させることにしました。ラックを曲げたような見た目の、平歯車の穴を大きくした歯車を球と同心円上に配置し、その上を小さい歯車がピニオンのように移動します。これにより機構を外側に配置しつつ回転中心は球の中心とすることができます。
この機構を二段重ねにし、縦横の直交2軸を動作させることができます。
※各部品毎にこの機構が必要ですが、空間を圧迫してしまいます。棒2本のみに限定し、左右2セットとします。

機構
  • ボールベアリング/スライドレール

前述の二段重ね機構において、内側機構の軸受けは中心に設置できますが、外側機構の軸受けは内側と干渉するため中心に配置できません。したがって歯車自体に溝を設け金属球を入れることで、湾曲したスライドレールのような軸受けとします。

軸受け

今後

学術的な計算はせずに、とりあえず3DCADで部品モデリング→組立て→回路製作→制御という流れでやっていきたいと思います。